連載「人事大解剖~他社の人事のリアルを知る~」は、リレーインタビュー形式で、業務において大事にしている考えや日常の悩み、気になっているHRのキーワードなどを紐解きながら、人事のリアルに迫っていく。正解がないと言われる時代だからこそ、多くの人事の視点や考えを通じて、業務や課題解決のヒントをお届けする。人事リレーの輪14人目は株式会社Hacobuで人事責任者を担っている、執行役員 CHRO 吉田 毅氏が登場。同社は「持続可能な物流インフラを創る」「運ぶを最適化する」をビジョン、ミッションとして掲げ、物流DXツール「MOVO」をはじめとしたプロダクトやコンサルティングを通じて企業の物流の最適化をサポートしている。本記事では、吉田氏が語る事業課題と連動したリーダーシップ開発やミドル層強化のチャレンジのほか、組織開発で大事にしている考え方やオススメの書籍などをお届けする。

※下部の「目次」より気になる項目がありましたら、ぜひそちらからも参照のうえご覧ください。
人はかけられた期待に対して等分以上で返そうとする――Hacobu 吉田 毅氏 【人事リレーの輪14人目】

Q1:これまでのキャリアは?

【人事リレーの輪14人目】
株式会社Hacobu 執行役員 CHRO
吉田 毅氏



今、年齢は53歳なのですが、40歳まではずっと営業や営業企画など、ビジネス畑でキャリアを積んでいました。人事のキャリアを歩み出したのが、ちょうど40歳の時。当時、所属していたヤフー株式会社で経営体制の刷新があり、私はその中で人事部門へ異動となり組織開発室の立ち上げとその推進を任されました。経営体制の変更に伴う改革を推進し、ヤフー全体の組織力を高めるフェーズにありました。

抜擢という形で組織開発を任されたものの、経験したことがなかったので正直不安でした。ただ、かけてもらった期待に応えようとがむしゃらに取り組んで、仕事を覚えていきました。ヤフーにはトータルで12年半在籍しましたが、人事としては約3年間、最後の1年は企業内大学ヤフーアカデミアの開校のリードも担当させていただきました。これらの経験は、私のキャリアの中でも大きな財産の一つとなりました。

2015年の6月から、KDDIグループのスタートアップであるSupership株式会社の立ち上げに人事統括のポジションでジョインしました。今回のインタビューを指名していただいた宮崎さんとはその時に出会うことになります。同社では前半4年間は人事責任者として、後半3年間はグループ会社であるDATUM STUDIO株式会社の代表取締役として従事しました。

2022年に DATUM STUDIOの代表を退任するタイミングで7年間お世話になったSupershipを卒業し、次のキャリアを歩むことを決めます。ちょうど50歳のタイミングでもありました。いよいよキャリアの仕上げのフェーズに入っていくなかでどのような歩みにしていくのかを深く考えた末、自分自身が活き活きと働けて一番貢献できるのは、やはり人事の仕事だと思えたんですね。それから、大きく完成された組織ではなく、手触り感のある組織サイズで、経営の側で人事が実践できる環境を探しました。転職活動を進める中で、小売DX、ネットスーパーの垂直立ち上げを手掛ける株式会社10Xに出会い、人事の責任者として入社します。その後、2024年5月にCHROとして当社にジョインして現在に至るというのが、これまでの私のキャリアです。

Q2:今の人事としての役割・ミッションは?

Hacobuでは人事統括の役割を担っています。経営チームの一員として、人事の機能を戦略的に活用し、事業の成長と組織の進化を同時に実現していくことが私のミッションです。

Q3:今抱えている主な人事課題は?

大きく2つの課題があります。1つ目は「採用」です。これから事業を力強く推進していくためには優秀人材の獲得が欠かせません。もう1つは、「リーダーシップ開発とミドルマネジメント強化」になります。私たちは、物流問題をデータの力で変えていこうとしています。そのような変革推進に向けて、社員一人ひとりがリーダーシップを発揮しなければなりません。今、一人ひとりのリーダーシップの発芽を促し、組織全体を活力に満ちたものに変えていこうという人事スローガンを掲げ、取り組んでいるところです。組織全体の活性化のカギとなるのが、経営とメンバーをつなぐミドルマネジメントの強化です。

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